代表理事ごあいさつ

大平 猛
一般社団法人日本マイクロ・ナノバブル学会
代表理事 大平 猛

九州大学 先端医療イノベーションセンター 特任教授

 

この度、一般社団法人日本マイクロ・ナノバブル学会の代表理事を務めさせていただくことになりました大平猛(おおだいら たけし)です。本学会の起源であるナノバブル研究会の時よりマイクロバブル・ナノバブルの特徴ある有効性が農学、工学、医学を初めとする多分野で明らかにされて来ました。

効果が先行し注目された本分野は、前理事長である高橋正好先生のご尽力で効果を裏付ける原理究明への礎が築かれました。しかし、未だマイクロバブル・ナノバブルの実態とその存在に関与する因子の解明は始まったばかりです。その多彩な特性についての原理究明や、それぞれの特性に由来する目に見える効果についても関連付けが完了しておりません。

一方、原理解明とは別にマイクロバブル・ナノバブル発生装置や微小気泡を含む機能水は民生用として様々な利用法が提唱・報告され、その有用性が強調されております。私達は、次のステージへの飛躍として、確実なマイクロバブル・ナノバブルの効果とその民生利用上の課題について具体的な事例を提示しつつ実証を繰り返し、効果のエビデンス化作業を加速したいと考えております。

農学分野では、植物および農学・水産分野微小生物への著名な効果が認められておりますが、機能水の使用環境が多彩なため、その効果判定法の選定に難渋するとの報告をいただいております。また、工学分野でも様々な工学機器における洗浄作業において、マイクロバブル・ナノバブルの卓越した洗浄効果が確認される反面、腐食性気体をバブルに封入した場合の対象素材への影響を評価する課題が残っております。医学分野でも動物を使用した前臨床試験にて、細菌に対する殺菌効果とBio-barrierを破砕する効果がみられるものの、生体有機物に触れた際のバブル消失や生体膜に対する副作用検証は解決すべき課題として横たわっております。本学会ではマイクロバブル・ナノバブルの克服すべき課題に徹底的にメスを入れ、安全で確実な民生利用可能なツールに仕上げる作業を強力に進めて行きたいと考えております。

また、この日本発の技術を単なる効果のみ強調されるような根拠無き技術に留まらせる事なく、世界の著名な学術雑誌に採択されるような根本的原理を様々な使用環境での作用を矛盾なく説明できる内容として公開して行けるよう基礎研究を進めて行く所存であります。

学術分野としては極めて短期間に民生利用拡大と基礎原理究明を同時進行させなければならない事が学会使命となった今、学会執行部の皆様と学会を支えて下さっている会員の皆様と共に、まさに命がけの取り組みを進める覚悟で学会活動を拡大して行く所存です。